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御園生 敏治; 中西 貴宏; 眞田 幸尚; 尻引 武彦; 卜部 嘉*; 鶴田 忠彦
JAEA-Research 2022-010, 134 Pages, 2023/02
東京電力ホールディングス(株)福島第一原子力発電所(1F)の事故が発生し、多量の放射性物質が1F周辺に沈着した。日本原子力研究開発機構では、事故後、放射性物質の動態研究を継続して実施している。本報告書は、令和3年度における、近沿岸海域等における放射性物質の状況調査を実施した成果をまとめたものである。具体的には、福島沿岸域57地点において柱状試料を採取し、海底土への放射性セシウムの蓄積状況を示した。さらに海底地形・海底土分布調査を実施し、地形と堆積物の分布状況を把握した。また、河川前面における海底土表層の放射性セシウム濃度の水平分布を計測した。放射性物質の水産物への影響の基礎情報として、魚類の分布状況を調査した。さらに、無人観測船を使用した採水及び採泥の実証試験を実施した。得られた結果より1F前面海域における海底土に含まれる放射性物質の分布と動態について推定を行った。
立石 良*; 島田 耕史; 岩森 暁如*; 和田 伸也*; 瀬能 正太郎*; 長田 健*
地質学雑誌(インターネット), 128(1), p.63 - 64, 2022/04
敦賀断層は、福井県敦賀市東部から美浜町南部にかけて北東-南西方向に分布する、長さ約20kmの右横ずれ主体の活断層である。美浜町新庄地区折戸谷周辺では、敦賀断層がジュラ紀の付加体(混在岩)と白亜紀後期の花崗岩を境し、この断層沿いに明瞭な横ずれ屈曲谷が連続する。この地域ではIwamori et al. (2021)が断層露頭を報告済だが、今回新たに複数の断層露頭を発見したので、写真とともに簡単に報告する。これらの断層は全て北東-南西走向で高角傾斜を示し、混在岩と花崗岩の境界をなす。このうち2つの露頭は、屈曲谷の屈曲部上流端に位置しており、典型的な横ずれ変位地形と地質断層が完全に一致する。
山口 正秋; 加藤 智子; 鈴木 祐二*; 牧野 仁史
原子力バックエンド研究(CD-ROM), 27(2), p.72 - 82, 2020/12
地層処分の性能評価における隆起・侵食の影響の検討では、地下水流動や処分場から地表への核種移行経路などへの影響の観点から、地形と処分場深度の変化が重要となる。本研究では、初期の地形や隆起速度等の条件や評価期間の想定に対して地形と処分場深度の変化を効率的に評価するためのツール(地形・処分場深度変遷解析ツール)を、簡易的な地形発達シミュレーションモデルを組み込んだArcGISのモデルとして構築した。このような評価は、性能評価における隆起・侵食に起因する地下水流動や地表への核種移行経路への影響の評価に向けて、条件や評価期間に応じた地形や深度の変化についての定量的情報を提示するとともに、性能評価の実施においてどの影響に重点をおくことが効果的・効率的かなどを判断するためにも重要となる。
高井 静霞; 木村 英雄*; 打越 絵美子*; 宗像 雅広; 武田 聖司
JAEA-Data/Code 2020-007, 174 Pages, 2020/09
計算コードMIG2DFは、放射性廃棄物地中処分の安全評価を目的とした多孔質媒体中における地下水流・核種移行解析コードとして、平成4年に第1版が開発された。MIG2DF第1版では、2次元(鉛直断面・水平面および軸対称3次元)の有限要素法によるモデルに対し、密度を考慮した飽和-不飽和地下水流解析及び核種移行解析を行うことが可能である。一方放射性廃棄物地中処分では、長期的な地質・気候関連事象として、サイトに応じた隆起・侵食による地形変化や、沿岸域においては海水準変動に伴う塩淡境界の変化による地下水流動への影響を合わせて考慮する必要がある。こうした事象に対する評価手法を整備するために、本グループではMIG2DF第1版に対する改良、および、非定常な地形変化に対応したMIG2DFによる解析を可能とするための外部プログラムの整備を行っている。これらの開発のうち、本報告書ではMIG2DF第1版を改良した第2版について、その構成・解法・使用方法・検証計算を示す。また本報告書では、整備したMIG2DFの複数の外部プログラムのうち、地下水流路解析コード(PASS-TRAC)、解析用データセット作成コード(PASS-PRE)、および、ポスト表示コード(PASS-POST)についても構成・解法・使用方法を示す。
辻 英樹*; 石井 弓美子*; Shin, M.*; 谷口 圭輔*; 新井 宏受*; 栗原 モモ*; 保高 徹生*; 倉元 隆之*; 中西 貴宏; Lee, S*; et al.
Science of the Total Environment, 697, p.134093_1 - 134093_11, 2019/12
被引用回数:17 パーセンタイル:59.38(Environmental Sciences)福島第一原子力発電所事故の影響を受けた河川の溶存態放射性セシウム濃度の制御要因を明らかにするため、東日本66箇所の河川で調査を行った。溶存態Cs濃度について流域の平均Cs沈着量・土地利用・土壌組成・地形・水質との関連性を評価した結果、地形的な湿潤指標(TWI)が有意に正の相関を示した。ヨーロッパの河川でも同様の相関が認められるが、日本の河川では湿地帯ではなく市街地が溶存態Cs濃度に強く影響していた。
尾上 博則; 小坂 寛*; 松岡 稔幸; 小松 哲也; 竹内 竜史; 岩月 輝希; 安江 健一
原子力バックエンド研究(CD-ROM), 26(1), p.3 - 14, 2019/06
高レベル放射性廃棄物の地層処分の安全評価は、処分施設閉鎖後、数万年以上に及ぶ時間スケールを対象として実施される。そのため、長期的な自然現象による影響を考慮した地下水の流速や移行時間といった地下水流動状態の長期変動性の評価技術の整備は重要な技術開発課題である。本研究では、長期的な自然現象のうち隆起・侵食による地形変化や気候変動に着目し、それらに対する地下水流動状態の変動性を、複数の定常解析結果に基づく変動係数で評価可能な手法を構築した。岐阜県東濃地域を事例とした評価手法の適用性検討の結果、過去100万年間の地形変化や涵養量の変化による影響を受けにくい地下水の滞留域を三次元的な空間分布として推定した。本評価手法を適用することで、地層処分事業の評価対象領域において、地形変化や気候変動に対する地下水流動状態の変動性が小さい領域を定量的かつ空間的に明示することができる。さらに、岐阜県東濃地域における事例検討結果を踏まえて、外挿法を用いた地下水流動状態の変動性の将来予測の基本的な考え方を整理するとともに、将来予測手法の適用可能な時間スケールについて考察した。
酒井 利啓; 松岡 稔幸
JAEA-Research 2015-004, 109 Pages, 2015/06
幌延深地層研究計画において、地質図に関しては舟木ほか(2005a)がそれまでの文献データの詳細検討を行い、20万分の1地質図幅をベースに幌延町域の地質図を作成するとともに検討に使用した地表踏査結果をデータベース化した。2007年には幌延深地層研究計画のうち第1段階の成果として深地層研究所設置地区周辺におけるデータのうち特に大曲断層に関する知見を取り込んで地質図を更新した。一方、幌延町周辺は資源探査(石油、天然ガス、石炭等)を目的とした既存の地質調査データが豊富にあり、文献として公表されている。このため今回、舟木ほか(2005a)が作成した地表踏査データベースに幌延町周辺で公表されている文献のデータを加えて地表踏査データベースの更新を行うとともに、この情報と酒井ほか(2014)による地形データをもとに幌延町周辺の数値地質図を作成し、GISデータとしてまとめた。本報告書の成果は、幌延深地層研究計画における地質環境のモデル化・解析やその長期変遷の解析・評価に反映させることで、それらの精度の向上に役立つと期待できる。
山本 純太; 永崎 靖志; 西村 修
JNC TN7420 2000-005, 43 Pages, 2000/11
核燃料サイクル開発機構では、岐阜県瑞浪市明世町月吉の約14haの正馬様用地に計画している超深地層研究所の設置に先立ち、環境に関する自主的な調査を実施してきている。この調査は、用地および周辺地域における環境の概要を把握し、調査結果を研究所の設計、施工計画に反映して、環境と調和した研究所とすることを目的としている。この調査には専門家並びに専門コンサルタントに参加して頂き、調査方法への指導や結果の評価を行ってもらい、加えて用地内で行う工事方法などについても指導をいただきながら実施してきている。本試料は、平成9年2月から平成12年8月の間までに実施した調査の概要をとりまとめたものである。なお、今後も研究期間を通じて必要な調査を継続して実施していく予定である。
大里 和己*; 山根 一修*
JNC TJ7440 2000-005, 45 Pages, 2000/03
1.目的 本報告書は、高周波数CSMT法/MT法データを用いて、2次元インバージョン解析作業を行った結果を取りまとめたものである。調査測点は岐阜県土岐市,瑞浪市及び御嵩町に渡る。解析測線は調査地域内に7本設定されている。既存の解析結果(電磁法による地上物理探査 1999年3月:JNC TJ7420 99-007)と合わせ、調査地域の比抵抗構造を詳細に求めることを目的とする。2.方法 地表浅部からの比抵抗構造を求めるため解析周波数の上限を96KHZとした。また、最低周波数を10HZとすることで、当該地域に広く分布する花崗岩の形状把握を目的とした。解析にはMT2次元インバージョンを用い、解析モードはTMモードを採用した。解析の結果、花崗岩と、その上部層である新第三紀以降の堆積層の構造を把握することができた。その結果、地形の凹部はチャネル域と対比されると推定される。花崗岩体も一様な比抵抗構造ではなく、比抵抗分布に多様性があり、断裂構造と関連があるものと考えられる
兼清 豊比古*
JNC TJ1440 99-005, 41 Pages, 1999/12
本研究では、核燃料サイクル開発機構が深地層研究所(仮称)の候補地としてあげている北海道天塩郡幌延町およびその周辺地域において民間の会社がこれまでに行ってきている諸調査を取りまとめ、整理し、新規図面類として作成した。取りまとめたデータは、地表地質調査、重力探鉱、反射法地震探鉱および試錘孔の4種類のものである。コンパイルした地質図は国土地理院刊行の50,000分の1地形図「豊富」および「雄信内」に示される地域で、これまでに実施された調査結果をまとめたものである。本地域内には増幌層、稚内層、声問層および勇知層の各地層が分布している。地域内には数条の背斜系列が北北西一南南東トレンドで位置し、豊富背斜-大曲背斜-雄興背斜の西側には豊富断層-大曲断層が逆断層として併行している。この断層群を境にして東側では声問層より下位の地層が多くの断層でいくつものブロックに分断されて分布しているのに対し、断層群の西側では声問層より上位の地層が比較的緩い傾斜で分布している。重力探鉱データは、国土地理院刊行の50,000分の1地形図「豊富」、「雄信内」、「稚咲内」および「天塩」の地域のものである。上記断層の西側では、地表の背斜位置は重力値の低い所となっており、通常とは逆の現象である。反射法地震探鉱データも、重力データと同じ地域のものを取りまとめた。地域全域にわたって追跡が可能であった増幌層基底部の地下溝造図を作成した。上記断層群の東側の地域では構造が複雑なためか、反射波があまりとらえられていない。試錘孔のデータは、川口背斜の極隆部付近に掘削された孔井のものであり、掘止深度4,505mまでの連続した諸データを取りまとめた。本井を掘削した結果、深度800mから掘止深度までは異常高圧層となっていることが判明した。特に泥岩を主体とする鬼志別層が本背斜頂部で極端に層厚を増していることは、塑性流動によるダイアピル状の変形をしたためであろうと結論づけられよう。重力値との関係もこれにより説明が可能である。
柳田 誠*
PNC TJ7692 97-001, 120 Pages, 1997/03
長期の隆起や侵食による地形変化は、地質環境の物理的・化学的特性を変化させる可能性がある。地質環境の変化の範囲や程度を予測するためには、隆起や侵食の範囲と量を見積もる必要がある。内陸部における隆起や侵食の速度に関する解析精度の向上を図るため、昨年度に引き続きデータ収集と解析手法の検討を行った。調査内容は、(1)現河床の礫径分布と河床勾配・洪水水位との関係を明らかにすることと、(2)地形面の侵食速度と地質・気候・地形とに関係を明らかにすることである。礫径調査は5河川(千曲川、安倍川、富士川、酒匂川水系、相模川水系)において行った。その結果、安倍川では礫径と勾配の決定係数は0.86を示し、昨年度の5河川を併せても礫径と勾配は決定係数0.79を示す。一方、礫径と水位の相関は全ての河川で低く、礫径は主に勾配によって支配されていると考えられている。しかし精度としては、20cmの礫から推定される勾配と60cmの礫から推定される勾配が同じ、という程度でしかない。侵食量調査は、地質、気候、地形の異なる8地域(日高、八甲田、八戸、白河、碓井峠、松本、乗鞍岳、竹田)において行った。その結果、火砕流、熔岩、段丘面(扇状地面)の順に侵食速度が小さくなることが明らかになった。解析するにはサンプル数が不十分であるが、火砕流が最も速い理由は地質的なもろさに起因するものと考えられる。砂礫層からなる段丘面においては侵食基準面との比高が、火砕流からなる地形面においては地形面の位置が、それぞれの地形面の侵食速度を規定しており、地形面の勾配や降水量は侵食速度に重要な影響力を持たない。溶岩については年代未詳なものが多く不明であった。侵食速度が最も大きい竹田地域(Aso-4火砕流堆積面)の過去9万年間における平均値は0.66mm/yであり、侵食速度が最も小さい松本地域(扇状地面,0.018mm/y)の約37倍の値を示した。侵食型式が異なることに起因する侵食速度の違いである可能性も考えられ、侵食型式の研究が必要と思われる。
原田 謙三*
PNC TJ1552 97-002, 218 Pages, 1997/03
平成8年度に本委員会が実施した研究業務は、岩手県釜石鉱山大峯地区の坑内外7地点に設置した地震計による地震観測および、坑内L550に設置された水圧、水量、水質観測用の各計測器と、平成6年度に設置されたレーザー干渉式岩盤歪計とを用いた地下水理計測であった。また得られた観測データについて各種解析を実施した。本年も多くの工事が行われたが何れも機器の不具合な部分の修正や、故障発生時の修理等であった。主なものは、地震計K-4(L550NE抗)の信号線で発生したノイズ除去の為の信号線張替工事と、レーザー岩盤歪計の根本的な改良工事である。報告書の第1章では13年目に入った本委員会の研究方針と研究活動の概要が記述されている。第2章では、地震計のノイズ除去工事、PH計と電気伝導度計や自動採水器の点検修理工事および、レーザー干渉型岩盤歪計の改良、移設工事に関する事項等が時系列的に記述されている。第3章では、平成8年度に釜石鉱山で観測された58個の地震について、夫々の観測データおよび解析結果が記述されている。特に本年度は、地下での加速度の減衰の状態が多少異常な10個の地震について種々の解析が試みられ、それらの地震の特徴を明らかにした。またこの章では、地形が地震動に及ぼす影響について3次元的な解析を行った結果についても記述されている。第4章には、地下水理関係の観測データから得られた、地震と地下水の関係について種々検討した結果が記述されている。第5章ではあとがきで、今年度に得られた研究成果のとりまとめが述べられると共に、残された課題について述べられている。
山井 忠世*; 若松 尚則*; 小林 公一*; 中島 誠*
PNC TJ7361 97-001, 271 Pages, 1997/01
東濃鉱山周辺の表層水理観測システムを検討した。表層水理観測の目的を涵養量の時間空間分布の把握と位置づけ、そのためのフルスペックのシステム構成の検討と流域の選定を行った。システムは、降水量・蒸発散量・流出量・地下水貯留量を得るための気象・流量・地下水頭・土壌水分の各観測システムから構成される。対象流域は、観測目的によって、大流域(ある程度の広がりをもった領域での平均的な水収支の把握を目的とする)、モデル小流域(涵養メカニズムの把握を目的とした詳細な観測を行う)、その他の小流域(特定の地形・地質条件の流域での涵養特性を把握することを目的とする)の3タイプを考え、それぞれ6流域、2流域、4流域を選定した。
向山 栄*; 猪股 隆行*; 槇田 祐子*
PNC TJ7362 96-001, 74 Pages, 1996/03
火山活動による地質環境の長期安定性への影響を評価するためには、火山活動域の時間的な変化を把握することが重要である。平成6年度には、日本列島における火山活動の特性を把握するための一環として、第四紀以降の火山活動の場、活動様式、活動年代に関する情報を収集した。本年度は、昨年度に引き続き文献調査を継続するとともに、活動年代に関する情報の蓄積を図るため、データが不足している東北日本の第四紀火山を対象に現地調査を実施し、カリウム-アルゴン年代測定を行なうための分析を行った。また、第四紀火山に関する情報の収集・整理し、地質環境の長期的な安定性を把握するために火山の専門家からなる「第四紀火山カタログワーキング」を設置し、第四紀火山のデータベースの作成を開始した。今年度のデータベースの作成方針は、取り敢えず国内の全ての第四紀火山を抽出して総数を把握するとともに、データベースのフォーマットを確定させて、データベースの基礎を作ることに主眼を置いた。そのため、データベース項目の内容にはまだ不十分なものが見られるが、それについては次年度以降に順次、充実させていく予定である。
山井 忠世*; 若松 尚則*; 岡崎 彦哉
PNC TJ7361 96-003, 157 Pages, 1996/03
広域地下水流動解析を実施する際に必要な水平地質断面図を、平成4年度に作成した全国の地質構造モデルおよび地形モデルに基づいて作成した。断面図は、標高2,000m-4,000mの9深度について、100万分の1、250万分の1、400万分の1の3つのスケールで作成した。地表の地質分布を表したモデル図(地質図)の作成した。断面図作成の結果、新第三紀以降の新しい堆積物のまとまった分布があるのは、北海道、東北地方日本海側北陸、南関東、山陰であることがわかる。本断面図のデジタル化について検討した結果、現モデルによって地質構造を三次元的に表現するには、多数の鉛直断面図を作成することが最も効率的であると考えられる。
井川 猛*; 川中 卓*; 伊藤 谷生*; 津村 紀子*
PNC TJ1690 96-001, 155 Pages, 1996/03
富山県上新川郡大山町茂住地区において、横山楡原衡上断層及び茂住祐延断層を代表とする当地区の断層形態を把握するとともに、手取層群と飛弾変成岩類の境界面の構造を明らかにすることを目的として、反射法地下構造調査を実施した。その結果、・手取層群と飛弾変性岩類の境界が反射記録上で確認できること、・特に、疑似3次元記録上で反射パターンの変化として明瞭に捉えることができること、・岩相境界あるいは低周波域での記録上で反射面の不連続として断層が検出可能であり、その空間的分布状況を把握することができること、・飛弾変性岩類が高くなったブロックが存在し、このブロック境界にいくつかの断層がみとめられること、・茂住断層はこのブロックの北側境界に位置する断層の可能性が高いこと、等が確認され、硬岩地域においても反射法が有力な調査方法となることが分かった。
永井 晴康; 山澤 弘実
Journal of Nuclear Science and Technology, 32(7), p.671 - 682, 1995/07
被引用回数:4 パーセンタイル:43.23(Nuclear Science & Technology)大気拡散モデルPHYSICの中のメソスケール大気力学モデルを改良し、海岸複雑地形上での性能試験を行った。時間変化する総観規模気象条件をモデル内に導入するために、初期条件及び境界条件を改良した。さらに、積雪地域でモデル計算を行うために地表面温度計算にも改良を加えた。これらの改良により、モデルは1992年の冬と夏に行った気象観測から選んだ4ケースを良く再現するようになった。強い西風時と海陸風発生時の風速場及びその時間変化を再現できた。また、入力データの時間的空間的な密度に依存するモデルの再現性の限界があることがわかった。
河村 和夫*; 中島 達也*; 友利 方彦*
PNC TJ7361 95-002, 217 Pages, 1995/03
現在の変動帯である日本列島において、地盤の隆起・沈降運動と密接に関連する侵食・堆積作用は、地形や地層の厚さを変化させる。従って、地質環境の長期安定性の観点から地質時代を通じた侵食・堆積作用に関するデータを蓄積するとともに、将来の地形変化を予測する手法の整備が必要である。昨年度までに主要な山地に位置する100箇所のダムを対象に、集水域の侵食速度と地形及び降水量との関係を解析し、高度分散量と平均標高をパラメータとした「侵食速度算定式」を作成した。今年度は、昨年度までの結果と合わせて日本列島の自然条件に対してより適用性の高い「侵食速度算定式」を作成するとともに、日本列島における地質時代を通じた侵食、堆積作用の規模と速度の概要をとりまとめた。本報告書は、アジア航測株式会社が動力炉・核燃料開発事業団との契約により実施した業務の成果である。
山井 忠世*; 加藤 芳郎*; 岡崎 彦哉*
PNC TJ1361 95-001, 196 Pages, 1995/03
属性一覧表は、活断層に区分されるリニアメントと、活断層・地質断層に区分されるリニアメントの2種を作成した。活断層に区分されるリニアメントの属性一覧表には、1/20万地勢図・1/5万地形図単位に、以下の(1)(13)の項目がとりまとめられている。活断層・地質断層に区分されるリニアメントの属性一覧表には、1/20万地勢図・1/5万地形図単位に、活断層に区分されたリニアメントの(7)、(8)、(10)の項目を除く項目についてとりまとめられている。以下に、その記入要領を示す。(1)位置・1/20万:建設省国土地理院発行の1/20万地勢図名・1/5万:建設省国土地理院発行の1/5万地形図の番号なお、本調査にかかわる1/20万地勢図及び1/5万地形図の範囲は、図-1に示している。(2)リニアメント番号1/5万地形図ごとに、活断層に区分されるリニアメントに付けられた番号である。番号は地質断層を含めた連続番号となっているため、序列しない。複数の地形図にまたがって連続する活断層については、主要部分の存在する地形図で表記している。図面上では、延長区間の地形図では、リニアメント番号の前に主要部分の地形図番号(116)を付けて表示している。また、1本の活断層が途中で10以上屈曲している場合は、屈曲地点で分け、コード番号に続いてアルファベット(a、b・・・)を追記している。(3)分類リニアメントを活断層・地質断層に分類しており、活断層を1、地質断層を2として表示している。
永井 晴康; 山澤 弘実
JAERI-Research 94-040, 40 Pages, 1994/11
3次元大気力学モデルPHYSICを改良し、下北半島周辺の局地スケール海岸複雑地形を対象としたモデルで風速場再現計算を行い、現地での気象観測データとの比較を行った。総観規模変動を外部条件としてモデルに導入するために、初期分布及び境界条件を改良した。その結果、モデルの再現性が向上し、24時間以上安定して風速場を再現できるようになった。また、1992年夏季に下北半島周辺で観測された海陸風状の風速分布の再現計算では、計算結果は観測された風速分布及び時間変化と良く一致していた。